基礎編

基礎編

差押

不動産競売の開始は差押から始まります。
差押とは、対象となる不動産を動かせないように固定することを意味します。対象となる不動産の所有者(債務者)が勝手に不動産を売却して売却代金を持って逃げるようなことがないよう、法的に動かせない状態を作るところから始まります。
実際には、競売の申立てを行い、競売手続きの開始決定がされた段階で裁判所の嘱託に基づいて差押の登記がなされることになります。

なお、差押を受けたからといって、所有者(債務者)は家を出る必要はありません
通常の用法にしたがって不動産を継続利用することが認められています。
差押を行った債権者も直ちに追い出すことはできません。
あくまで、不動産を処分することだけが制限された状態(処分制限効)となります。 

以後の手続きは裁判所が関与する競売手続きの中で進めていくことになります。 

情報の入手

過去の競売手続きは、不動産業者などが一同に介して競り(セリ)を行って購入者を決めていたために、一般の方が参入する余地はほとんどないというのが現実でした。
そのため、競売手続きについても大きく法改正がなされ、一般の方であっても競売手続きに参加しやすいような制度作りがされています。
具体的には、一同に介す競りではなく、期間入札手続きが原則とされ、一定期間内に入札ができる上に、郵送でも手続きが可能となっています。
また、一般の方が参加しやすいよう、情報の公開が大きく前進しています。今では、インターネット上で競売不動産情報サイト(通称BIT)などで、競売不動産の情報を集められるようになっています。
どんな情報を集めるかといえば、公表される①物件明細書、②現況調査報告書、③評価書という3つの書類(いわゆる3点セット)をチェックします。 
これらの書類をチェックすると、たとえば競売物件に賃借人がいる際に、この賃借人を追い出すことができるのかといった問題や、再建築が可能な土地であるのかといった点の確認ができます。 

手続きの参加

情報を入手して気に入った物件があれば入札に進みます。
この段階で弁護士などの専門家にご相談されることを強くおススメします。
というのも、先述した物件明細書等の記載から、本物件が安全な物件であるのかを確認しておく必要があるということです。物件明細書等には専門的な記述も多く出てきます。是非とも、入札前のこの段階で専門家の意見を聞いておきましょう。

さて、入札手続きですが、①担保金(保証金)の納付、②入札書の提出という2つが必要となります。入札書の提出は郵送でも可能となっています。ただし、必ず入札期間内に届くように手配しましょう。
 

開札~売却決定~代金納付

入札期間から約1週間後に開札となります。
開札日に執行官が入札書を読み上げ、一番高い値をつけた人、次順位の人をそれぞれ決めます。
開札日には裁判所に行く必要はありません(ただし、次順位で指定を受けることはできません。)。
その後、裁判所が当該一番高い値をつけた人に売却決定を出すかどうかを決めることになります。 
無事に売却決定が出されたら、保証金を除いた残代金を支払い、これをもって所有権が移転されることになります。

立退き

競売の最後の仕上げ作業は現占有者(当該競売物件を使用する者)に対する立ち退き交渉となります。占有者には買受人に対抗できる(「立ち退かない」と言える立場の人)と対抗できない(「立ち退かない」と言えない立場の人)と二通りいます。
このあたりのリスクは、入札するかどうかを決める際に考慮しておく事柄といえます。
買受人に対抗できない人に対しては、引渡命令という簡易な手続きで強制的に立ち退きを求められることになっています。
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